なぜパリからナビゴ(定期券)で行かれる小さな観光地は、半日で充分なのか?
さあ、おやすみの日にパリ近郊を散策するのに心地よい季節になってきました。
思い立ったらすぐにナビゴで小旅行に出かけよう!
ある程度パリに住んでいれば、行っていない場所を探す方が大変。
さて皆さんは観光に何を求めていますか?
綺麗な景色と美味しい空気だけで良ければ、いくらでも満喫できる場所はあります。
でもそれだけでは、楽しみの半分くらいしかないのではないでしょうか。
それに美味しい食事と、ちょっとしたお土産が加わって素敵な休日が完成すると、私の場合はこれら全てで100パーセント満足なのです。
最初からこんな事を言って申し訳ありませんが、パリ近郊ナビゴで行かれるところで1日潰せるところは
ディズニーランド
中世の街 Provin (プロヴァン)
くらいしか思いつかないです。
二時間かからないで見て回れるところがほとんど。
お子様が一緒とか、フランス人と一緒ならまた違う視点でしょうけれど、お一人様や日本人同士で出かけるとなると、長く時間が潰せるところは少ない気がします。
そう感じるのはなぜか?
1. お土産や買い物などをするところが最初からない、または日曜日に閉まっている。
せっかく名産の品物があるのに、商売っ気がないのか、お土産品に力が入っていない街がほとんど。
マルシェ(市場)のたつ日に当たれば名産品を買う事ができますが、有名なマルシェ以外はマルシェの情報すらつかみにくい。
2. ゆっくりと美味しい地元のレストランで食事をしたくても日曜日はあまり開いていない、または元から気の利いたレストランは少ない。
ガイドブックに大きく載る観光地なら営業している美味しそうなフレンチレストランやビストロもありますが、ガイドブックで小さくしか掲載されていない観光スポットの日曜日はピザ屋、ケバブ屋、カフェくらいしか開いていない事も多々あります。
なら他の曜日に行けば良いのでしょうが、、
営業していたってパリのレストランに慣れていたら、入るのに躊躇してしまうことも。
それなら気軽に美味しそうなパン屋さんを探して、歩きながら食事をするか座れそうな公園で食事をするか。
見どころ満載の町で時間が足りないならまだしも、むしろその逆。
これでは時間を持て余してしまいます。
せっかく訪れたら、名産を使った物を食べてみたいし、名産がなくてもパリよりは安くて美味しいレストランで食事をしたいのに、営業していなかったら楽しみ半減。
パリ近郊のプチ観光地は、ガイドブックに周辺のレストラン情報はほぼ掲載なし。
私の愛用しているサイト La Fourchette で検索して、めぼしいレストランはチェックして行きます。
特になければそこでの食事は重要視しないと決めて、自然を満喫する事を目的で行くとか、移動中にゆっくり本を読むとか、他の事を楽しむようにします。
3. 公園や自然の中で長時間過ごす事に慣れていない。
パリ近郊は観光地でも最寄駅の前にカフェがひとつあればまだマシなくらい。
田舎に来たんだなぁと実感できます。
逆を言えば [ 何にもない!] ところに来てしまったと焦る事がほとんど。
ピクニックをしたり、公園を隅々まで散策して名もない彫刻を鑑賞したり、教会の中の絵画やステンドグラスひとつひとつをルーブル美術館でもやらないくらい丁寧に観て回って歴史を調べたりしない限り、観るところは数少ないのであっという間に見尽くしてしまいます。
フランス人のグループと旅行に参加すると、お昼を家から持参して自然の中で楽しんでいる姿を目にする事がよくあるんです。
私の感覚では観光とお土産、食事はセットになっていて、昼の食事を持参するという発想がないので、こういう楽しみ方もあるのですね。
日頃と違う味を楽しみたいので、お弁当持参はマネしようとは思えないけれど、どこかに座って1時間くらい本を読むとか、なんてことない所を歩きまわるようにはなりました。
たったこれだけで、どんなところでも楽しめる技術は格段にアップ。
自然か民家しかない場所でどう時間を過ごせるか、それがポイント。
4. 有名な街でさえ、観光地化されていないことがほとんど。
観光地化されていない普通の場所に観光客が押し寄せているだけ。
もっと商売っ気出せばいいのにと、街の活性化を望んでしまいがち。
シャレたレストランやショップがあったらもっと楽しくなるのにー。
大都市に住んで消費社会に洗脳されてる私。
きっとその町の住人にとっては、それを望むならパリですればいいでしょ?と思っているのか?
例えばゴッホゆかりの村なら、ゴッホのいた当時の環境を愛しているのか、ゴッホの思い出に寄り添うように普通に生活している印象を受けます。
ゴッホが好きとか興味があるなら、ゴッホの生活していた地域を隅々まで散策してみたいと思うかもしれません。
そうでなければ、生活していた場所、絵のモデルとなった場合、ゆかりの場所だけを訪れて写真撮影が済めば他には時間が潰せるところなんてゼロです。
そこがフランスの凄い所ではないでしょうか。
[ 当時の様子が感じられる景色が残っている]
例えばまたゴッホのゆかりの地ですが、ゴッホがなぜ、どんな気持ちでそこに居たのかを考えてみる。
どうしてそこを描いたのか考えてみる。
どのくらいの画材を、どんな足取りで運んで絵を描いたのか想像してみる。
本で言えば
[ 行間を読む ]
といった感じでしょうか。
旅なので[ 歴史の中に身を置く]
そんな事をして過ごすのに適した場所がたくさん残ってるんです。
何もないのではなくて、昔のままなんですね。
そのままにしてあるなんて凄くないですか?
教会の真ん前に高層マンションが建ったり、お土産物屋だらけになっていないなんて。
予備知識もなく出かけて行ったら面白くない場所もあるかもしれません。
パリ近郊の小旅行に必要なのは、お金よりもイマジネーション。
期待は半分で、散歩にでかけるくらいの気持ちで行って丁度いいのではないでしょうか。
散歩だから半日もあれば充分。
そんなノリで、非日常(ビックリ) を求めて出かけよう。