jeanne-lully’s blog

ちょっと変わった元日本人がパリで思う事

フランス人になってはみたけれど

 そろそろフランス人になって一年になろうとしています。

 

 何が変わったかと言えば、政権が変わってもこの先ずっとフランスから追い出される心配がなくなった事で、安心して暮らせるようになりました。

 

 フランスに住む日本人ではなくなったので、フランスは自分の国なワケです。

 

 しかしまだ、本当の意味でフランス人になってはいないと思うのです。

 

 2週間程前、ボーイスカウトの小学生くらいの男の子達が、駅前で私に近づいてきました。

 

 人が近づいてくると物盗りか、タカリだと警戒するクセがついてしまっている私は、恥ずかしながら反射的に少年達を避けて早足でその場を去りました。

 

 気になって振り返ると、少年達はヨレヨレの服を着たおじさんに声をかけています。

 

どうやら自分達で作成したカレンダーを販売していたようで、ヨレヨレの服のおじさんは買っていきました。

 

  これが私の好きなフランスらしさの一つなのです。

 

 知らない人同士でも気軽に会話をして、自分に出来る事なら協力する光景。

 

こんな光景は他にも、地下鉄の車両の中でお金を恵んで欲しい人が、乗客ひとりひとりに声をかけて巡回している時に、優しい一言を言いながら小銭を渡す人がいます。

 

 話しをしないにしても、そういう人に嫌な顔をせず、時には自分の持っている食品を差し出したりする人は意外といるものです。

 

 ベビーカーや重たい荷物を階段で運ぼうとしている人に、積極的に[ 手伝いましょうか?]と近づいて一緒に運んでくれる人もいます。

 


 周りのフランス人を見習って、彼等のように困っている人を助けるようにはしてきたつもりです。

 

しかしボーイスカウトの男の子達を避けてしまって、どうして立ち止まって話しを聞いてあげられなかったのだろうと反省しました。

 

 原因は、フランス人の子供達のどういう子達が安全で、どういう子達が危ないかを瞬時に判断できていない事です。

 

 過去にこんな事があったからかも知れません。

 

 小学生か中学生の少年3人が横並びで歩いていて私と道ですれ違った時に、一番私と離れている子が隣の少年をつき飛ばし、その子がまた隣の子にぶつかって、私にぶつかってきました。

 

 私は買い物帰りで、両手に重たい荷物持っていて避けられず、壁に突き飛ばされたのです。

 

見た感じ、三人は普通のフランス人少年。

悪ふざけをしたのでしょう。

もし私の容姿がフランス人だったら、この少年は同じ事をしたのでしょうか?

 

以来男の子をみると、何をされるかわからないから避けるようにしています。

 

 そんな経験があるので、ボーイスカウトの服を着ている子だから安心とは思えなかったのですね。

 

冷静に考えたら、ボーイスカウトとして活動中の子供達が悪さをするとは考えにくいのですが。

 

 たった一度の事で、少年は危ないという変な偏見を持ってしまっている自分に気がつきました。

 


 そして昨日、今度はガールスカウトの子供達が駅前で私に話しかけてきました。

 

やはりカレンダー販売をしていたので、一冊購入しました。

f:id:jeanne-lully:20191006211707j:image

 

やっとモヤモヤしていた気持ちがスッキリしました。

 

 これがボーイスカウトだったとしても、絶対に立ち止まってカレンダーを買っていた自信があります。

 

 今まではフランス人とプライベートで接する機会が少なく、フランス人との付き合い方に慣れていません。

 

 もともとあまり人付き合いをしない方なのです。

 

 なので、バックボーンの違う人達との付き合いが面倒くさそうで、深く関わろうとは思えなかったのです。

 

それにフランスという国は好きですが、フランス人が好きという訳ではなかったのです。

 

これからフランスでもっと楽しく暮らしていくためには、フランス人と接する事で見えてくる物がある気がしてきました。

 

フランス人から学べる事は沢山あると思います。

 

結局、私の愛する国であるフランスを作っているのはフランス人。

 

やっとフランス人に関わって行こうと思い始めたところです。