jeanne-lully’s blog

ちょっと変わった元日本人がパリで思う事

ロックダウンのおかげで趣味が見つかった?

 私の住むフランスはロックダウンがあり、暇潰しに不要品の整理をしていたらマスクになりそうな布が出てきました。

 

 もともと手縫いは好きなほうでしたが、長期間に渡って続ける事はありませんでした。

 

 マスク以外にも、部屋着のパンツ、シャツなども縫い始めたのです。

 

 どんどん作りたい物がでてきて、暇なはずのロックダウンが忙しくて充実してしまいました。

 

 そのうちに、初期に縫った縫い目が雑に思えてきて、ミシンのような綺麗な縫い目を目指すようになりました。

 

 ようやく外出ができるようになって、始めに買いに行ったものは糸とスカート用のゴム。

 

そんな頃、サイズを間違えて買って使えない大きな白いシーツを人からもらいました。

 

 またしても造作意欲が高まって、夏用のパンツ、スカート、シャツを作り、出かける時に着ていたら、周囲の人達に出来栄えを驚かれ、すっかり気を良くしたのでした。

 

 その後、ひょんな事から和服を着ることになったのですが、自前のポリエステルの着物は夏には不向き。暑過ぎるー

 

 このままでは身体が保たないと思い、もらったシーツで浴衣の試作品を作りました。

 

 ちなみに私の技術は家庭科の授業で習った程度のもの。

 

 今はネットがあるから、調べて何とかなる時代。

 

 モンマルトルに生地屋さんが並んでるので、そこで和柄にみえそうな綿の布を選びました。

 

わー、なんかプロっぽい

布から選んで何かを作るなんて久しぶり!

 

洋服は曲線ですが、和服はほぼ直線。

ただし長〜い直線。

 

ひたすら縫うしかありません。

 

必死で縫って3日で仕上げました。

ミシンがあればなぁと、何度思った事か。

 

 恐る恐るそれを着て出かけると、誰も私が手縫いしたとは思うはずもなく褒められるし、街行くパリの女性に声をかけられる事が多々あります。

 

初めは見られる事が恥ずかしかったですよ。

 

まあ、ここは外国。

和装にうるさい人に出くわす確率はかなり低いはず。

 

和装の知識はあまりないけれど、堂々と和装したっていい。だって私はフランス人。

 

 

 いつも行ってるスーパーでは、店員さんが合掌して挨拶してくれ

 

[ わー、初めて着物を見たわ。素敵ですね!]

 

と、今まで見たことのない歓迎ぶり。

 

 大型の電気屋さんでは、遠くの方から女性店員さんがやってきて、進んで接客をしてくれました。

 

この2時間前に洋服で来た時は、誰も相手にしてくれなかったのに。

 

 地下鉄の車内で、若い男性が席を譲ってくれた事もあります。

 

 とにかく和服でいる恩恵が沢山ある事にビックリ。

 

 パリって、和服を着ていると周りの人が喜んでくれるし、私から話かけなくてもフランス人が話しかけてくれるんですね。

 

 私に出来る、人を笑顔に出来ること。

 

 そう言えば、二十歳くらいのときに舞を2年程習っていたのですが、家で浴衣を着ておさらいをしていた時に

 


[ 歳を重ねたら、いつかは和服を着て生活したいなぁ]

と思っていた事を今頃!今頃思い出しました。

すっかりそんな事は忘れていたのですが。

 

まさか現実になってしまうとは!

 

 そんなワケで [ なんちゃって和服 ] 作りに夢中になってしまい、6月から今日までに6枚縫いました。

 

 その他に靴下を足袋に作り替えたり、嘘つき襟(着物の一枚したに見えている襟)を作ったり、和服とお揃いのマスクを作ったりと、常に手縫いに追われる生活。

 

そんなワケでブログを書かなかったのです。

 

こうして手縫いが日常になり、ミニマリストのはずが、物が増え始めていて困ります。

 

 が、2週間くらい前から右腕が痺れるようになってしまいました。

 

 手縫いのし過ぎとしか思えないのです。

 

 おかげで針を持つのも今までのようにはいかないし、早く縫えないのです。

 

 おかげで制作意欲は落ち着いて、工房になりかけていた部屋は、心地よい空間に戻って、裁縫だけに夢中になり過ぎる事はなくなりました。

 

人生上手く出来てるんですね。