jeanne-lully’s blog

ちょっと変わった元日本人がパリで思う事

フランスだから着物を着よう

 いつかベルサイユ宮殿の仮装イベントに参加したいリュリです。

 

 このイベント、帰りが遅くなるからソロ女としては不安で、一人で行ってもなーと思って、なかなか参加を決意できずにいる。

 

 

 さて、特別な装いといえば日本なら着物がある。

 

お値段も着付けも特別で、着る人は着るが、一生のうち七五三、成人式、結婚式の数回着るだけの人も多いのではないだろうか。


 二十歳の頃に舞を習っていた私は、浴衣ならお稽古の度に着ていたので、今でも着ることができる。

 

帯も文庫結び ( リボンみたいな結び方 )

でもよければ、着物も自分で着られる。

 

 

 その頃、普段から着物を着ている他のお弟子さんがいらして、私も将来は着物で生活したいと憧れていた。

 

 生活感がなく、優雅で粋であった。

そんな女性になりたかった。

 

 現実を振り返ると、働きだしてから日本で着物を着たのはいつだろう?

 

浴衣すら着ていない。

 

着物よりもワンピースやドレスの方が手軽で安い。

 

 それに日本には着物のプロが大勢いるから、季節に合った着物に帯はコレ。それに合わせる小物には etc..........

 

 細かいルールがあるようで、自分の好きに着て出かけられない雰囲気だし、そもそも正月以外に着物で出かけたら周囲の人が??と思うのではないかと、かなり勇気の要る行為なのだ。


ところがフランスに来てからは以外と着る機会に恵まれた。

 

 と、言うよりは人目を気にせずに自由に着てしまえるのだ。


着物に詳しい人に出くわす確率はかなり低い。


自分で着付けが出来るだけでも、日本人に驚かれるのだ。


柄が派手だろうが、素材が安かろうが、日本人以外の人にとってはワンダフル、ビューティフルなのだ。


一般的に着物や浴衣を着ている人を見かけるのは、お花見、オペラ鑑賞、7/14のパリ祭だろうか。


ここ数年は忙しくて、着物を着た後の洗濯や片付けが面倒で着ていなかった。


ところが昨年にフランス国籍をもらってから、買ったまま着たことがない洗える着物があるのを思い出した。


思い切って、クリスマスの日のバレエ公演に着て行った。

 

ジーンズで行くよりは、出演者に対するリスペクトは高いだろう。

 

 久しぶりに着る恥ずかしさで、地下鉄に乗る時から周りのリアクションを観察していた。


ところがチラリと見られるくらいで、大した反応はなかった。


逆に着物ごときでは人に振り返ってもらえない。

 

注目を集めたければ、花魁道中か参覲交代くらい派手にやらねば。


注目度の低さはオペラ座の中でも同じ。


たまに珍しそうに私を見ている人がいたけど、着物を着ている人はホントに珍しいのだから仕方ない。


そんなに恥ずかしがらなくてもよかったのだ。


調子にのった私は、正月中に着る機会があれば着て行こうと企んだ。


そしてこの間の日曜日、昼間は今年初の仲間の集まりがあり、夜は先輩が私の帰化祝いをレストランでしてくださり、その両方に着て行った。


こうなれば、同席者は恥ずかしいかもしれないが、私にはもう恥ずかしさの微塵もない。


帰りに着物好きなフランス人女性が話しかけてきて、こんなテキトーにきた着物姿をほめちぎってくれた。

 

着物を褒められたのであり、それを選んだ審美眼と着付けた技術が評価された気がして嬉しかった。

 

日本文化の中で一番好きなのは着物である。


フランス人となった今、堂々と外国人流に着物を着ても許されるかなぁと、着物に対してハードルがググッと下がった出来事となった。


もしかしたら、着物で生活する日がやってくるかも知れない⁉️、