人から[あなたはなに人ですか?]と聞かれるのがイヤな理由
明らかに現地の人ではない人種の私に国籍を尋ねる人は、どこ出身の人だろう?と興味があって聞いているのだと思います。
日本人から私をみたら、どう見ても日本人にしか見えないはず。
かりにアジア圏の人かなぁと思っても、話せば日本語力でネイティブ日本人だと認識するでしょう。
じつはフランス語がヘタでもフランス人なんです。
[ なに人ですか?]
この質問は新しい言語の勉強を始めるとすぐに、数字を習うのと変わらないタイミングでならう言葉ですよね。
重要だから真っ先に習うのでしょう。
確かに日本人以外の人からよく聞かれます。
そのたびに、[なんて答えようかなぁ]
と悩みます。
馬鹿正直に毎回、[ 生まれは日本の関東で、昨年からフランス人になりました。]
なんて答える必要あるのでしょうか?
これから仲良くなりたい人になら、しっかり説明したいとは思います。
けれどたまたま道を聞いた相手や、お店の店員さんなどの通りすがりの人に説明しなくてもいいかなと。
ただ、正直に[フランス人です。]と即答してしまったら、ネイティブフランス人とは違うアクセントでフランス語を話すアジア顔の私に、相手は納得できないでしょう。
よって妥当な線で[ 日本人です。]と答えています。
日本贔屓の人が多いのか、日本人だと答えると会話が弾んでしまい、私としては複雑な感じ。
[ごめんねー。
元日本人で、9年パリにいるの。
その間に一度、1週間だけ日本に行っただけで、あまり最近の日本の事に詳しくないんだぁ。
日本国内の旅行についてなんて、15年以上前のことだから、ありきたりな事しか言えないの。ガイドブック以下よ。
すでに日本人とフランス人が軽く混ざった状態で、恥ずかしながらどちらの事も中途半端にしか知らない状態だし。
ただ読書は日本語オンリーだけどね]
と私の心の声がアナウンス開始。
こんな日本人でごめんないね。
ホントはフランス人だもん。
この質問をされると、悪い事をしていないのになんとなく後ろめたさがあるのがイヤ。
じゃあ私ってどこに属せるのでしょう?
自分で一番しっくりくるのは[アジア人]というくくり。
アジアという国籍は存在しないので、はっきりした国籍を指さないのがいい感じ。
まさに私の状態にピッタリ
大まかに人種を分けてアジアグループに自身をはめ込むと馴染めそう。
そもそもヨーロッパ人からみたら、日本人、中国人、台湾人、韓国人などの区別なんてできないのでは?
私の事を日本人だと一発で分かる人に、あまり出会った事はありません。
私だって日本人をみても日本人だと分からない事があり、フランス語で話しかけた経験あり。
反対に日本人だって外国人を見た時に、白人、中東の人、アジア圏の人など、大まかにしか識別していないのではないでしょうか?
誰でも最初はざっくり識別して、興味がある国の人かも知れないと思って[ 何人ですか?]
という質問になるのでしょう。
そう思うと、日本に興味があって日本人と話したいと思って私にこの質問を投げかけられると、ちょっと困るなぁ。
話す事ないし、楽しくないし。
今いちばんされたくない質問です。